一年ぶりに来日する親友が10日後、ご飯を奢ってくれるという。
去年も1.5万円の寿司をご馳走してくれた。
嬉しいけど、罪悪感を覚えてしまうので「今度は私がご馳走する番だよ」と言った。でも「気持ちは受け取った!けど稼いでるから大丈夫!」と言われてしまう。私は彼女ほど稼いでないので、同じことは言えない。
でも遠慮するのも、友達の気持ちを受け取らないことになるので良くない。葛藤。
とにかく、良店を見つけるのは私の役目。
コスパの良い店は人気なので、当日に近づくほど予約で埋まってしまう。
短い期間に良店を見つけなくてはならないのは、私の準備不足が原因。
友達が来日することは1カ月以上前から分かっていたのに。その時点で作戦を練り始めるのが正解であった。
昨年、友達に奢らせてしまったことへの罪悪感から、今年は奢られても罪悪感か少ない店なら予約もしなくて大丈夫だ、と店を探す気持ちになれず、その後、仕事のことで頭が一杯になって。
自己評価が低いから、クライアントに申し訳ない気持ちになったり、もっと有能な人に代行してもらおうと足掻いたり、自分の無能さがバレるのを恐れたりしては寝込み、インポスター症候群という言葉を知ったとん腑に落ちた。
でも仕事は精一杯やるものだから、クライアントの期待値は上がったまま。私が勝手に覚えているプレッシャーを軽減する考え方の工夫をしてなんとか乗り切っているが、気持ちを上げた分だけ下がるからか、仕事がない日はやっぱり寝込んでしまっていた。
嗚呼、そんな言い訳したって、友人との約束の日時は刻一刻と迫ってくる。
鮨は大好物たけど、場数を踏んでききたとは言えない。高級な鮨ほど、コネがなければいただけなかったりする。
私にはお金もコネもない。精神障害で散財してしまったり、仕事ができなくなってしまったり。
人間関係が得意でない私は単独行動ばかりだし、二千円のランチなら奮発した方だ。
幸運や知恵を使って、最高峰の鮨を数万円でいただいたことはある。あの時の感動は一生物だけど、その機会をオンデマンドで叶えられるほどのレベルには達してない。
私は食通たちの感想を熟読して良店を判断する。
頻繁に見る辛口レビューは、彼らが成功体験ばかりしてきたわけではないことを意味している…。
さんざん食べ比べてきたから、稀に素晴らしい店を見つけた時にはつい通い、値段を上げても客がついてくるのだろう。
すると私の店選びが最高でなくとも、経験値は上がったことになるのか。
次はもっと早く予約ができるような体制を整えようと、既に教訓が得られた。
こんな貴重な体験をさせてくれている友達に感謝だ。
もっと甲斐甲斐しい人間に私はなろう。
成長の機会を与えてくれてありがとう。