彼氏にキレてDV・モラハラを辞めるために、母親への怒りを解消したい。
私はその想いで、田房永子さんのコミックエッセイ『キレる私をやめたい〜夫をグーで殴る妻をやめるまで〜』を2018年に読み、ゲシュタルト・セラピーのことを知り、直ぐにワークショップと個人セラピーを1回づつ試しました。
結論から言うと、想像以上の手応えを感じました。
・ワークショップでは、押し殺していた父親への怒りが判明
・個人セラピーでは、インナーチャイルドと和解
・その後、インナーチャイルドと絵を通じて対話
ただ、私のトラウマは根深く、二回では足りなかったので、セラピーを継続する必要があるということも分かりました。
田房さんは、過干渉で暴力的な母親からされたように、夫にキレて殴ってしまう。
私も、母親からされていたように、彼氏にキレて精神的に追い詰めてしまう。
「私は絶対に母親みたいにはならない!」と昔から誓っていたので、自分がまるで母親のようだと気づいた時はショックでした。
虐待児は、親になって我が子に虐待をする「世代間連鎖」が起きやすいことは知っていましたし、原因は母親にあると確信していました。
ちなみに母は幼児の時に突然、母親がいなくなったそうです。父の口から聞いたことがありますが、我が家では誰もそのことに触れたことはなく、タブーでした。
母の母親への怒りは、娘の私に向けられているんだと理解していました。そして、私はその怒りを彼氏に向けてしまっているのだと。
だから「母親への怒りをどうにかしたい」と思ってワークショップに参加しました。
セラピーで得られたことは意外でしたが、納得のいくものになりました。
押し殺していた父親への怒りが判明
ワークショップの際、幼児期より父親から受けた性被害や、母親から受けた体罰や精神的苦痛を、涙と鼻水と一緒に溢れ出す言葉で語りました。
一通り話し終わった際、ファシリテーターから「では、怒りをお父さんにぶつけてみてください」と言われ、戸惑いました。
母への怒りを解消したいのに、お父さんに? 釈然としないままに、父親への怒りの言葉を言ってみました。
自分の言葉でないような感覚で、ぎこちなく、気持ち悪かったのを覚えています。
ワークショップの後、「でも父親からは『虐待』を受けたとは思ってないんです」と私が言うと、ファシリテーターが私の目を見たまま一瞬、絶句しました(「目が点になった」感じ)。
その一瞬の反応をみて私は(あれ、私なんか変なこと言ったかな。幼児期に父から性的なことをされたのはトラウマの原因だけど、暴行は伴ってないから「虐待」ではないのではという意味だったんだけど)と思いました。
そしてこの時から「虐待ではない」という言い訳をして、父親への怒りを感じないようにしていたのかもしれないと気づき始めました。
意外な展開でしたが、ワークショップが終わった後には、気持ちが軽くなっていました。
インナーチャイルドと対話・和解
手応えを感じた私は個人セラピーをすぐに予約。
家族ひとりひとりと対話し、最終的には幼児の私に「ありがとう」ということができました。
棒読みで心はこもっていなかったけど、頭で考えたら、言うことができました。
幼児の私が、気持ちを押し殺したことで、私は大人になってからも本心が分からずに苦しんでいますが、当時の私はベストを尽くしてくれていたのでした。
家庭内に私の居場所を保とうとするために。
それまでの私は昔の私を責めていました。
なんでもっと早く誰かに話さなかったの?
なんでもっと早く家を出なかったの?
なんでこんなに苦しまないといけないの?
両親に向けるべき怒りを、自分に向け、自分の存在を呪っていました。
後数日が経過し、個人セラピーでの気づきを書き残さずにはいられない衝動に駆られていました。
ペンを持って大きい画用紙に向かうと思いがけず、幼児の私の似顔絵が描けました。
しかも表情豊な顔が何通りも、面白いほどスラスラ描けたんです。 笑顔も描けた。
更に、幼児の私と、現在の私の似顔絵と吹き出しを使って、対話までさせることができました。
最後に私が言った言葉は 「私もそろそろ幸せな人生を歩みたいんだけど、いいかなぁ」
幼児のわたしは複雑な心境になり何も言わなくなり、会話はそこで止まりました。
以前にも女児の絵を描いたことは何度もあったのですが、仮面被っていたり、後ろを向いていたり、のっぺらぼうだったりしていたので、自分であるという確信は持てなかったけのだけど、あれらはやっぱり幼児の私、インナーチャイルドだったのだろうと思いました。
この時、絵を描くこと自体、何年振りかわからないほど久しぶりでした。
昔はよく絵を描いていましたが、いつからか描けなくなっていたので、画期的なことでした。
私はファシリテーターに報告し、お礼のメッセージを送りました。
その後、「キレたくないのにキレてしまうあなたへ」という本が出版されました。
私のファシリテーターを担当をしてくださった、ゲシュタルトセラピーを日本で広める第一人者の岡田法悦さんの著書です。
本編に書かれた、ひとりでできるゲシュタルトセラピーの方法の中に、私が行ったこともいくつか紹介されていました。
子ども頃の自分に感謝すること、自分の絵を描いて話しかけることなど。
自分のフィードバックも役に立てたんだと思うと、嬉しくなりました。
セラピーを継続する必要がある
効果的で、貢献までできたゲシュタルトセラピーですが、また受けようと思いつつ、その機会がないまま時間が過ぎ、今に至ります。
私はいまだに彼氏にキレたり、モラハラをしてしまいます。
鬱で動けないこともしょっちゅうです。
絶望感の中にいる時は、セラピーを受けて助かろうという気力もなく、ただただ死にたくなります。
私のトラウマは一回や二回のセラピーでは足りず、まだまだ継続する必要があるみたいです。
最後、ゲシュタルトセラピーの生みの親であるフレデリック・パールズ(Fritz Peris)の「ゲシュタルトの祈り(The Gestalt Prayer)」で締めくくります。
私は私のために生きる。
I do my thing.
あなたはあなたのために生きる。
You do your thing.
私はあなたの期待に応えるためにこの世にいるわけではない。
I am not in this world to live up to your expectations.
あなたも私の期待に応えるためにこの世にいるわけではない。
You are not in this world to live up to mine.
私は私。
I am I.
あなたはあなた。
You are you.
もし偶然が私たちを出会わせたなら、それは素敵なことだ。
If by chance we find each other, it’s beautiful.
そうでなら仕方ない。
If not, it can’t be helped.
フレデリック・パールズ(Fritz Peris)の「ゲシュタルトの祈り(The Gestalt Prayer)」
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母がしんどい/田房永子
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この記事は2021年9月14日、はてなブログに書いた記事を編集したものです。https://twilighthues.hatenablog.com/entry/11368380_1?_ga=2.124969417.2143257311.1682751283-224502721.1682751283
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