0~4歳という極めて幼い子どもの頃から始まった性被害による重度の複雑性PTSDから回復すること(トラウマ後成長PTG)はできるのか?
という個人的な研究テーマのために元ミス・アメリカのMarilyn Van Duber(マリリン・ヴァン・ダーバー)による自叙伝『ミス・アメリカ・バイ・デイ(原題:Miss America By Day)』を読書中。
私が4歳で区切っているのは、私自身が性被害を受け始めたのが推定4歳だからだ。
でも4歳未満から性被害を受け始めて、人生を好転させた人の事例は極めて少ない。私は2人しか知らない。Truddi ChaseとJennifer Haynesだ。
その2人が解離性同一性障害者で、私も解離性障害であることから、様々な複雑性PTSDの症状の中でも、解離性障害(記憶を失う、別人格が生まれる)を患った人も私の研究対象になっている。
マリリン・ヴァン・ダーバーの性虐待が始まったのは5歳だけれど、解離性障害だったので、その視点から彼女のインタビュー動画を見た。
ネット上の動画を見尽くした後、もっと詳しく知りたいと思い、本を読み始めたのだ。
彼女は幼少期に父親から性的虐待を受け、そのトラウマが長年にわたり彼女の人生にどのような影響を与えたかを赤裸々に語っている。
この本では、以下のようなテーマが取り上げられている:
社会への訴え:虐待の予防とサバイバーへの支援の重要性を強調。
秘密と苦悩:外見的には成功者でありながら、内面では深い痛みを抱えていた彼女の生活。
癒しと回復の旅路:カウンセリングやサポートシステムを通じた回復のプロセス。
教育的メッセージ:性的虐待が被害者に与える心理的・身体的影響、そしてその克服方法。
私がこの本を読んでいる理由は、5歳から日常的に実父から性加害を加えられ、重度な精神障害や身体障害を患いながらも、周囲の人から助けられながら徐々にトラウマを克服し、その体験を伝えることで多くの人々に希望を与えている人物の内面を知るため。
性虐待が幼い頃から始まり、長期に渡って助けを求められない状況にあると、取り返しのつかないほど心身が病み、自殺したり、他殺をしたり、捕まっていようがいまいが犯罪者になってしまうケースが著しい。
児童性虐待を受けていて、それをバネにしている人の多くは、虐待が始まった年齢が私の時(4歳)より遅い傾向にあり、しかも周囲に味方になってくれる存在がいたというケースも多い。
参考にはなるけれど、やはり、自分の方が圧倒的に不利だった(幼さ+見方がいなかった)と思ってしまう部分が少しでもあると、希望があると捉えるには限界がある。
だから、私は自分のように、もっと幼い年齢から性虐待が始まり、周りに見方がいなかった人物しか、私のロールモデルとしては厳しいことは気づいていた。
しかし、これほど悲惨な体験をしているのに、それを元に社会貢献しているほど回復している人は本当に少ない。
マリリン・ヴァン・ダーバーでさえ、虐待が始まったのが、私より1歳後であるが、その辺の誤差は目を瞑らないと、他に例があまりないのである。
いずれにせよ、私が言い現れないような複雑な感情を上手に説明しているので、自分の回想録を書く上でも参考になっている。
幼い頃から性被害が始まって記憶が抑圧された人生を送ってきて、自分に何が起きているか、なかなか理解してもらえないし、自分でもよく分からないと思っている人にはお勧めな一冊だ。
その他、幼児性虐待と記憶の喪失や解離に関連する用語や動画を
nondeclarative memory 非宣言的記憶
DARVO
Betrayal trauma
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